ローマ人は美意識が高い?
ローマの人々の風呂好きは、映画「テルマエ・ロマエ」などでも紹介されました。 大変立派な浴場で、ローマの人々の大きな娯楽の一つとなっていました。 ローマ人は女性ももちろんですが、男性も脱毛に余念がなく、抜いたり擦り切るといった方法で脱毛を行っていました。 これは宗教上の理由や清潔というものを求めた結果ではなく、ひとえに「肉体の美」への追求ではないかと考えられます。 当時もてはやされた男性像は「細身で女性と見間違えるほど美しい男性」です。
また「人間が故の完成された肉体美」を求めるのがローマ人の常でしたから、「人間として」となれば体毛はあまりに動物的ではあります。 そのような人間としての興味と探求から、脱毛の意識へが導かれたのではないかと考えられます。 入浴を常とする土地の場合は、このように美を探求するか、イスラムのように宗教上の求めを満たす脱毛を行うかどちらかになるのかもしれません。 ローマの文明に強く影響を受けたイスラムも、「清潔は信仰の半分」と言われるほどに、身体を洗浄する意味を持つ浴場が街の中心地に据えられるほどでした。 しかしながら清潔に加え宗教の考え方も加味されていたことから、全ての体毛に対して脱毛への意識が高まっていたわけではないようです。
しかし浴場には洗髪・垢擦り・マッサージ・脱毛を行う三助の存在がありました。 ローマとイスラムはともに入浴を常としつつ、また脱毛への意識も高いものであるのにもかかわらず、根幹の概念が違うという差異が見られ大変興味深いものです。 また清潔がすべての健康につながると考えたのでしょうか。 イスラムには浴場に「瀉血」が設けられていました。 これも三助が多なっていましたが、血にたまった老廃物や毒素などを、血とともに排出することで健康を得るという健康法です。 のちに浴場での瀉血は禁止され、床屋が請け負うことになります。 床屋のサインポールの赤と白と青は血管の静脈・動脈・包帯と言われますが、初めは血管を表す赤と止血帯を表す白のストライプのみでした。 この違いが後のフランスにおける空前の脱毛ブームに、ローマが影響を与えたということに繋がってゆきます。 またどこに「清潔」の概念を見出したかにも関わってくるのです。